もうひとこと:2012年1月号「ロングインタビュー」取材後記
柴田励司氏の『もう一言』〜大人のインターンについて〜
『万年課長補佐という認知が周りにあると、自分自身が知らないうちに、それを演じてしまっている。そんな自分の殻を打ち破ってもらう「大人のインターン」という企画を今、考え中です。それにより、失った自信を取り戻してもらいたいと思っています』

もうひとこと:2012年1月号「The労使紛争交渉人」取材後記
鴨桃代氏の『もう一言』〜使用者の「プライド」について〜
『企業との団体交渉でときどき感じる違和感の一つに、使用者の変な「プライド」があります。自分が傷付くか、傷付かないかという立場にばかりこだわっている。この会社をどうやって維持していくかというほうに、もっと「プライド」を持つべきでは? と感じることが最近はよくありますね」

もうひとこと:2011年12月号「採用試験問題例」取材後記
人材の奇想天外さ、発想の柔軟さなど、経験や知識、スキルでは推し量れない「隠れた能力=イマジネーション」を見極める。今回のJACリクルートメントの採用試験の最大の醍醐味は、そこだ。斬新な選考法だが、同社の「人材紹介」というビジネスモデルに限らず、他の職業においても応用可能な試験問題であり、さすがは「採用のプロ」というところか。

もうひとこと:2011年11月号「ロングインタビュー」取材後記
宮治勇輔氏は大学のゼミで、「企業理念からそのビジネスモデルまで、一貫性と整合性がなければダメだ」と教授に言われた。一次産業を、かっこよくて・感動があって・稼げる3K産業にするという理念、そしてバーベキュー。教授の言葉はそのまま「みやじ豚」の経営に受け継がれているように思えた。

もうひとこと:2011年11月号「The労使紛争交渉人」取材後記
今回の女性ユニオン東京の取材では、企業側の「聞く姿勢」の有無が、その後の労使紛争の成り行きにも少なからず影響を与えている、とも感じた。藤井豊味書記長は、交渉窓口の人事担当者に対して、もし相手が情報不足と感じた場合、情報入手方法などのアドバイスをするという。その反応は企業によって温度差があるものの、少なくとも「聞く」姿勢は労使紛争の解決へ向けた第一歩ではないかと、今回の取材で強く感じた。

もうひとこと:2011年10月号「採用試験問題例」取材後記
「部下の本音を聞く」「現場の不満に耳を傾ける」など、近年、人事担当者に求められているスキルの一つに、「ヒアリング力」がある。今回のキャリアマートの採用試験では「他己(たこ)紹介」での学生のヒアリング力、情報整理力、プレゼン力などを問う内容であったが、特にヒアリング力は、個人差が大きく、なかには言葉が出ずに固まってしまう学生もいるという。試験の当事者は学生だが、人事担当者にとっても大きな気づきがありそうな選考スタイルであるようにも思えた。

もうひとこと:2011年9月号「ロングインタビュー」取材後記
東日本大震災の被災地支援について。「(ビッグイシューの販売員が)ホームレスだから辛さが分かる。戦力にもなる。ホームレスであっても被災地支援をやっているというメッセージをできるだけナチュラルな形で世間にも送り続けたい。5年、場合によっては10年スケールの覚悟を持ってやり続けたいですね」(佐野章二氏)。今年の12月で70歳を迎える佐野氏だが、やるべき仕事は山積。まだまだ趣味の音楽鑑賞にゆっくりと浸れる時間はなさそうである。

もうひとこと:2011年9月号「The労使紛争交渉人」取材後記
企業との団体交渉について。「(在職中よりも)解雇になってから相談に来られる労働者がとても多い。それは、職場自体がものを言えない風土になっているからだと思います。職場でのさまざまな不満の受け皿がないため、それがうつなどの健康被害にもつながってしまう。職場のさまざまな不満は日常的な組合交渉の中で解決したほうが、そうした複雑な団交などにはならないし、企業にとっても都合の良いことが多いと思うんですけどね」(河添誠氏)。労働組合を社内に作ることにネガティブな考えの人事労務関係者には、今回の首都圏青年ユニオン書記長の河添氏の記事はどう映ったのか? 筆者として、その感想を聞いてみたいものだ。

もうひとこと:2011年8月号「採用試験問題例」取材後記
今回の採用試験問題は「会社説明会」からという異例の出題となった。会社説明会といえば、企業にとっては応募者の動機づけや母集団形成という位置付けが多いのかもしれない。しかし、就職難にもかかわらず、相変わらず新卒入社組の早期退職は、多くの企業にとって頭の痛い課題。学生にとっての新卒入社は「就社」か?それとも「就職」か?少なくとも後者を志向する学生に関心があるという人事担当者なら、今回の旭化成アミダスの会社説明会は、とても参考になる事例だと思う。

もうひとこと:2011年7月号「ザ・ロングインタビュー」取材後記
「この人と1時間」という副題の付いたロングインタビューだが、取材開始から休憩を挟まずに2時間も一気に話し続けた海津社長の集中力、そして事業への思いは凄いと感じた。メディア側はどうしても「障がい者の雇用」に焦点を当ててしまうが、「長所を生かす経営」にしろ、「自発的な意思決定力」にしろ、スワンならずとも民間企業においては重要なテーマ。取材をしながら、「障がい者の雇用」という枠組みでの自分の先入観がとても時代遅れに思えた。

もうひとこと:2011年7月号「The労使紛争交渉人」取材後記
今回の取材では、東京・市ヶ谷にあるUIゼンセン同盟を訪問した。労働組合の組合員数が低迷する中にあって、右肩上がりと堅調。産業政策とパートタイマーの組織化がその主な奏功要因であり、今回の取材ポイントでもあった。正社員比率が低下し「組合はもう時代遅れ」と考えている人事担当者なら特に参考になる事例であった、とも思う。

もうひとこと:2011年6月号「採用試験問題例」取材後記
取材後、「採用試験問題」を出題したパフ社が主催する「職サークルシンポジウム」に参加した。参加者の大半は各企業の人事担当者。「これからの新卒採用の話をしよう!」と題したプログラムのメインテーマは、「育てる採用」。「選ぶだけの採用」と「育てる採用」の違いとは何か?今回のパフ社の採用試験問題にも通じる内容でもあった。それらは同社自らが自社採用で体現してきた「成果」の数々であり、それだけに「採用のプロ」としての説得力を感じた。

もうひとこと:2011年5月号「ザ・ロングインタビュー」取材後記
イメージ通りの人だった――それが佐々木常夫氏への取材での率直な感想である。大震災の後だけに、30万部を超えるベストセラーとなった氏の著書『働く君に贈る25の言葉』の第5章の一節、「運命を引き受けなさい。それが、生きるということです」の言葉が、まるで現在の日本人が背負った十字架のように心に染みてくる。妻の自殺未遂、長男の自閉症などの家族環境を抱えながら、破綻会社の再建や数々の大事業を成功に導いた佐々木常夫氏。インタビューには収録されていない佐々木氏の言葉の中から、今だからこそぜひ、以下の「もうひとこと」をここで付け加えておきたい。
「私は家庭の問題で大変だったとき、周りの人たちはみんな、『大変だったでしょう』と言ってくれる。でも、私はそれほど大変ではなかった。そういう生活に慣れるからです。そうしないと、人間は生きていけない。必ずそのシチュエーションの中で希望を持ち、幸せを見つけられるものです」。

もうひとこと:2011年5月号「The労使紛争交渉人」取材後記
毎日のように団交や争議に走り回る東京管理職ユニオンの鈴木剛書記長。本取材の中では外資系企業におけるロックアウト解雇の事例が特に印象に残っている。鈴木氏によると、外資系企業でしか勤務経験のない人事担当者の場合、日本のユニオンの存在に対して「非常に不理解、あるいは不勉強に感じることが多い」ようだ。記事中では触れていないが、その理由について、鈴木氏は次のように分析している。
「そもそも労働者が個人で加入し、企業に対してわれわれと一緒に団体交渉に臨める法制度は日本固有のものなのです。ゆえに外資系の本国の経営者から見れば、なかなかわれわれのようなユニオンの活動を理解できない面もあるのかもしれません。そのせいなのかは分かりませんが、外資系企業は特に、われわれとの交渉を嫌がる傾向はありますね」。
外資系人事関係者には特に、今回の取材記事は参考になる内容ではないか、と思う。

もうひとこと:2011年4月号「採用試験問題例」取材後記
一つの企業内に14もの国籍の人たちが働いているダイバーシティな職場。ロバート・ウォルターズ・ジャパンのスワン社長は「いろいろな社員がいるぶん、いろいろな意見が出る」と語った。日系企業に多い学歴および職歴偏重の採用試験で「いい人材が採れない」と悩む採用担当者にはぜひ、一読を勧めたい今回の試験内容であった。

もうひとこと:2011年3月号「ザ・ロングインタビュー」取材後記
小池龍之介氏が住職を務める月読寺は、工務店の事務所兼倉庫だった建物。見た目はいわゆる「お寺」風ではない。世田谷区の住宅街に自然に溶け込んだ風情の質素なたたずまい。質素なのは「お寺」の中も同じである。書斎部屋には古い机がポツンとあるだけ。書籍や雑誌、趣味の古物で足の踏み場もない記者の部屋とは対照的な空間。取材前、小池氏の『貧乏入門』『煩悩フリーの働き方。』などの著書を読んでいたこともあり、なるほど、と感じた次第。部屋にモノをため込まない気持ち良さ。それは自宅に限らず、オフィスでも同様なのだろうな、とも思った。ストレスの軽減法は意外に身近なところにある。そんな気付きも得られたような気がした今回の取材であった。

もうひとこと:2011年3月号「The労使紛争交渉人」取材後記
今回の派遣ユニオンの取材は、普段、人材派遣や人材紹介などの分野でも取材活動をしている記者にとって、とても意義深いものであった。快く取材を受けてくれた関根秀一郎氏にはこの場を借りて深謝。関根氏は現行の派遣制度における「廃止論者」の一人ではあるが、決してガチガチの学者肌とは異なる印象を受けた。関根氏の人柄の良さもあるが、肌感覚での当事者意識、そして何よりも「まずはとことん話し合おう」という受容の姿勢には、とても好感を持った。記者は人材派遣という制度の課題、問題点は排除しないものの、その有益性(もちろん求職者にとっても)にも着目している一人。関根氏とはやや派遣に対するスタンスは異なるが、スタンスが違えども、じっくりと意見交換が出来そうな雰囲気を、氏との応答からは感じた。関根氏が関わった団体交渉のほとんどが話し合いで解決している理由も、そこにあるのかもしれない。

もうひとこと:2011年2月号「採用試験問題・解答例」取材後記
就活がなかなか決まらない―そんな学生のイメージからは過酷、疲弊、可哀想などのネガティブな言葉ばかりを思い浮かべてしまうが、もし就活で活力が湧いてくるような採用試験があるとしたら? 今回の日本データビジョンの採用試験は、学生にとってポジティブな就活とは何か?という側面からも、気付かされる面が多々あったように思う。取材する側としても、「採用のプロ」らしさがビシビシと伝わる取材対象に出会えたとき、不思議と満足感というか、充実した気分が味わえる。一期一会。たった1回のある面接官の一言が、その学生の人生を変えることもある。フィードバックの重みを強く感じた取材であった。

もうひとこと:2011年1月号「ロングインタビュー」取材後記
とても心地よさを感じた。そんな1時間のインタビューであった。「語りの名手」という言葉が正しいのかどうかは分からない。でも、田坂広志氏の口から語られる一つひとつの言葉は、不思議と聞く者の心に響き、残る。職場における「働き甲斐」がテーマのインタビューであったが、記事の内容はもちろんのこと、インタビューの文章を通じて、優しく言葉を紡ぐ田坂氏の「語り」の臨場感をどれだけ表現できただろうか?一人でも多くの読者諸兄に、目からウロコの気付き、そして心地よさが伝われば・・・それが記者の「働き甲斐」にはなるのだけど、果たして?

もうひとこと:2011年1月号「The労使紛争交渉人」取材後記
数あるアポイント先の中で、真っ先に取材の意義に理解を示してくれたのが、今回取材のNPO法人労働相談センターの須田光照氏である。その「何でも聞いてください」というオープンな姿勢からは、「開かれた労働Gメン」の清々しさ、開放感を感じた。ユニオン、労組というと、「攻めるは得意だけど。守るのは弱い」という、どこか「自己開示」に腰が引けた印象もあった(実際、他の取材アポの労働Gメンではそうしたところもあった)が、今回の須田氏の取材では、そうした「閉鎖的な」労働Gメンの負のイメージをかなり払拭してくれたように思う。

もうひとこと:2010年12月号「採用試験問題・解答例」取材後記
人事部が関わらない採用試験って、ありなの? 今回のクイックの「もう一つの試験問題」は、それである。採用=人事の役割という、一般的な人事のあり方、存在意義というものに対する疑問、問いかけ。採用の「当事者」である人事担当者にはぜひ、そうした自問自答の行間も感じてもらいたい、そんな「採用試験問題」であった。

もうひとこと:2010年11月号「ロングインタビュー」取材後記
今回、登場していただいた見ル野栄司さんのベストセラー漫画『シブすぎ技術に男泣き!』のセリフ部分は、すべて見ル野さんの「手書き」である。一般的な写植の活字にはない手書きゆえの表現力があり、味わい深い。「そうした狙いもあったのか?」と見ル野さんに問うと、「いや、写植を入れてもらうのは申しわけない気がして……手間もかかるし」。そんなちょっとした裏話にも「男泣き」の要素を感じさせてくれるのが、見ル野漫画の魅力の一つ。効率性追求で見失った日本人の「何か」を、『シブすぎ技術に男泣き!』、そして本インタビューから感じてもらえれば幸いである。

もうひとこと:2010年10月号「採用試験問題・解答例」取材後記
今回取材したイーストウエストコンサルティングにとっての採用試験は、毎年の恒例行事であることは記事でも触れたが、それ以外にも同社ならではの「恒例行事」は数多い。例えば月1回の「飲みニケーション」もそのひとつ。新入社員にとっては会社内でのコミュニケーションを深める動機付けにもなるし、ネットワークや人脈力が仕事にも大きく影響するヘッドハンティングという職種柄、頼れる先輩社員とのパイプ作りにも役立っている。一般に「恒例行事」というと、企業の業績や好不況の影響を受けやすいものだ。しかし、「継続性」があってこその恒例行事である。テーマは採用試験問題であるが、好不況に翻弄され、企業で失われつつある「恒例行事」という言葉の重みを改めて実感させられた取材でもあった。

もうひとこと:2010年9月号「ロングインタビュー」取材後記
「今はビジネス戦争の時代。会社の中には最高の知識が集約されている。それを社会に還元しないのはもったいない」。そんな志を抱いた常見陽平氏の「サラリーマン作家」としてのデビューは、玩具メーカーの人事マン時代。以来、あえてサラリーマンの立場に身を置くことに、こだわり続けている。「人事マン後」のキャリアパスとしては、一般に社労士などのスペシャリスト、あるいは経営者としての「独立の道」を選択する人も多いが、在職中でも、いや在職中だからこそできる「キャリアパス」というものもあるのだなと、常見への取材で強く感じた。一読後、現職の人事マン諸氏がもし、そこから将来のモデルケース、あるいは何らかの発奮材料を見出してもらえたら、おそらく常見氏本人も本望ではなかろうか。

もうひとこと:2010年8月号「採用試験問題例」取材後記
新卒の採用試験は、学生にとっての「動機形成の場」でもある。今回のリクルートエージェントの取材では、そのことを改めて再確認させられた。同社の2011年度の新卒採用では、いろんなセクションの上長が面接に参加。そうした選考過程の中で「こうした社風の会社で働いてみたい」などの新たな入社動機が生まれる。上から目線での採用試験の風土からは生まれない「ウインウイン」の採用試験。効果測定的な視点でいえば、「入社辞退者が少なくなった」という同社データもある。最終面接が終わった時点でしっかりと「入社動機が固まっている」。それも「優れた選考」の一例であり、同社の採用試験はそれを見事に体現している。そう感じた。

もうひとこと:2010年7月号「ザ・ロングインタビュー」取材後記
何か新しいことをやろうとすると、必ずと言っていいほど問われるのが「費用対効果」、さらには「効率化」というもの。今回のカヤックの取材は、おそらく大勢を占めているであろうそうした企業の価値観とは異なる、「目に見えない価値」と企業との関係という視点からも興味深かったし、「今の時代の特徴」が少し見えたような気がした。時代の古都・鎌倉を拠点とするカヤックだけでなく、千葉・幕張を拠点にしているスタートトゥディにしても、そうした「目に見えない価値」を武器にして快進撃を続けているような気がしてならないと感じた。

もうひとこと:2010年6月号「採用試験問題・解答例」取材後記
心理学やカウンセリングの世界でよく使われる「ジョハリの窓」。対人関係の中の自己を理解する手掛かりとして知られる理論だ。リンクアンドモチベーションの採用試験問題では、自らの人生のモチベーション曲線を作成することで自分の自己開示をし、同時に自分が気づかない領域を他人から伝えてもらう(フィードバック)。それは「ジョハリの窓」の理論にも通じるものではないか、と思った。単なる取捨選択の選考ではなく、相互理解を深めることによって、会社側は学生との相性を見極めようと試み、同時に学生はそのプロセスからそれまで気づかなかった、あるいは未知の領域であった「気づき」を得る。「採用学」というものがあるとすれば、その片鱗に触れられた? そんな今回の取材であった。

もうひとこと:2010年5月号「ロングインタビュー」取材後記
「えっ、8ページもあるの!」。メモの合間に頻繁にカメラを構える記者の気持ちを察してだろう、取材中、桜井章一氏はそれとなくシャッターチャンスの場面をつくってくれた。文中の一枚一枚の写真にはそんな雀鬼の一面も隠されている。「カメラマン」として、ファインダーの向こうに見えた桜井氏の「優しさ」に触れたインタビューでもあった。

もうひとこと:2010年4月号「採用試験問題・解答例」取材後記
読者諸兄にはぜひ、ザ・ロングインタビューの記事と併読してもらえれば幸いである。こちらではいわば受け身の就活ではなく、能動的な就活による「気づき」がもう一つのテーマになっているからだ。新卒採用の選考フローでは会社側の理解を深めてもらうための多くの情報が学生側にアウトプットされる。しかし、ネオキャリアでは3次選考スタート以降は、必要以上のアウトプットは一切しない。自分から情報を欲して取りに来ない限り、価値ある情報にはたどり着けないという考えによるものだ。自らが動かなければ何も始まらない。内定者研修的な要素も兼ね備えた採用試験問題――そんな視点からも再読してもらえたらと思う。

もうひとこと:2010年4月号「ザ・ロングインタビュー」取材後記
同じバブル華やかなりし頃に社会人になった者の一人として、園田さんのエピソードや言葉の一つひとつが、共感とともに今も耳に残っている。その一つが「教育という言葉はあまり好きではない。私たちは学習という言葉を使う」というもの。教育ではなく学習。誰もが大人になり、いつしか「学習」は過去の子供時分のもの――そう思い込んではいないだろうか。「気づき」は、受け身の教育からではなく、能動的な学習姿勢から得られるものなのかもしれない。かなり昔に置き去りにしていた「学習」という言葉の深みを、この歳になって改めて再認識させられた1時間でもあった。

もうひとこと:2010年2月号「採用試験問題・解答例」取材後記
学生にしてみれば、予期せぬ「商談」面接の実施。しかもその準備時間はわずか3分。当然ながら、学生によっては極度の緊張感に襲われる人もいるという。小林マネージャーは、「普段の自分の力を発揮してもらうためにも、準備時間の3分間の使い方も大切である」と語っていたのが、とても印象に残った。同社では「一方が選び、もう一方が選ばれる」という関係ではなく、双方が「選び・選ばれる」関係であることをしっかりと事前に伝え、極力、リラックスした状態で「商談」に臨める環境作りを意識している。同マネージャーは「まだまだ課題は残る」と語るが、逸材を見極めるための採用試験とは、実は「試験中」だけでなく、「試験前」から始まっているのだな、と改めて痛感させられた次第。

もうひとこと:2010年1月号「ロングインタビュー」取材後記
取材翌日(土曜日)の早朝、自宅の電話が鳴った。時間は8時30分。こんな時間に自宅の電話が鳴ることは普段、まずない。あるとすれば緊急時。「もしや、身内に何かが!」。寝ぼけ眼をこすり、慌てて電話に出ると、「高齢社の上田です。昨日はありがとうございました・・・」。取材前日にこちらからFAXした質問案を読み直し、「すべての質問に答えられなかったのでは・・・」と心配し、わざわざ電話をしてくれたのだという。なんて深い気遣いのある人なのだろう。逆風にある派遣業界にあって、約360人もの登録社員の70%の稼働率を維持し、登録社員の高い満足度の一番の理由が「社長の人柄・考え方」であることに、あらためて納得させられた一本の電話であった。

もうひとこと:2009年12月号「逸材を見抜く採用試験問題例」取材後記
不採用になった会社に対して、好感を抱く学生はいない――通常そう思われがちな採用試験。アチーブメント社の採用試験でとても共感したのは、選考後の「敵を作らない、別れ方」。会社側が学生との対等な関係作りを常に意識し、学生を応援するというスタンスが、選考フローから強く感じられた。それは中途採用でも同じはず。入社試験に挑む人は、その会社のファンであるか、少なくともその会社に興味があるからだろう。不採用でも、変わらずにファンでいてもらう。そんな採用試験のお手本のような事例だったと思う。

もうひとこと:2009年10月号「逸材を見抜く採用試験問題例」取材後記
「よっしゃ、気に入った!」そんな鶴の一声で採用が決まる映画「社長シリーズ」のような面接試験も、個人的には嫌いではない。しかし、その対極にあるような「自分と合わないと思うタイプの人を(という尺度で)落とさない」というワイキューブの採用スタンスも、個性の尊重、人材のダイバーシティを受け入れるだけの企業の器という観点からも、とても興味深かった。「平均的な似たようなタイプの社員ばかりが集まる」と悩む企業にとって、採用のヒントが充満したケーススタディになれば、との思いで記事にまとめました。次回は12月号。アチーブメント社の採用試験レポートに、乞うご期待!