もうひとこと:2010年3月号「人にキャリアあり」取材後記
牟田社長のキャリアは存じ上げてたので、お父上がガテン系の職人さん(大工)だと聞いた時はちょっと驚きました。学究肌の静かで温厚なイメージと結びつかなかったんですね。しかし、次の言葉を聞いてギャップはなくなりました。「私の田舎では、大工の世界に契約書がありませんでした。一戸建ての家を建てる場合も、『俺に任せておけ!』と胸をたたいて仕事を引き受けます。そして、絶対にウソやごまかしがない。見えないところにもこだわる。そこに美徳があるんです」。自分が知らないものはやらない、受講生の数は顔が見える程度にとどめたい、など、経営のコンセプトを見ても、職人気質は確実に受け継がれているようです。

もうひとこと:2010年1月号「人にキャリアあり」取材後記
一般的に創業者は、個性的な人が多いように思います。というより、他人と同じではない自分固有の能力と可能性を求めるからこそ、起業の道を選択するのでしょう。マズローの欲求5段階説でいうなら、創業者は最高次の欲求「自己実現欲求」が旺盛なのだと説明することができます。今回、インタビューに応じてくださったアニコム損害保険の小森社長も例外ではありません。特に、ペット保険に人間の健康保険のシステムを導入するという、新しいビジネスモデルを構築して実現されたことを考えれば、一層、その感があります。その一方で、「根はビビリンチョなんです。ずっと探求して分析し続けないと、脳みそが止まって死ぬんじゃないかという脅迫感があるんですよ。だからサメみたいに回遊しています」とおっしゃっていました。子供時代から、成功体験をそのまま受け入れず、常に自省してこられたところがとても印象に残りました。

もうひとこと:2009年11月号「人にキャリアあり」取材後記
シリーズでは、これまでも20代の若い経営者にインタビューしてきました。今回の株式会社ウィングルの長谷川社長は昨年、大学を卒業したばかりの最年少です。一般の企業ではまだまだ、一人前に扱ってもらえない年齢だと思います。採用・研修ご担当の皆さんはどのような感想をもたれたでしょうか。大学では、今、教育改革が議論されています。大学で学生たちに何を学ばせるのか。サークルやアルバイトでは身につかないことがある、というんですね。しかし、インタビューを終えて考えさせられたのは、「学ばせる」ではなく、学生たちが自ら学ぼうとする気持ち、つまり「自習自得」の精神を持つことができれば、どのような場所であっても成長していくのではないか、とうことです。今の大学教育に欠けているのはこうした視点ではないかと。ほめることも大切なんですね。私も学生たちに向き合う際のヒントになりました。